ミヤザキ タカアキ
宮﨑 貴朗 所属 医療保健学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2010/03 |
形態種別 | 学位論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 高齢者リハビリテーション医療の政策研究 |
執筆形態 | 単著 |
概要 | 本論文では、高齢者リハビリテーション医療の政策研究を行い、さまざまな影響する因子において分析を行った。これらは、高齢化の進行、生活習慣病、慢性期への対応など対象者と疾病構造の変化、医療の基本的な考え方の変化、医療費の高騰を避けるための医療費抑制政策、経済的な効率性、医療の質という観点である。ある特定の領域からの議論だけではなく、本論文においては、高齢者リハビリテーション医療が高齢者の特性や高齢社会を背景とし、多様な因子の影響を受けるために、影響する様々な因子について広範な観点からの研究を行った。 本論文では、以下のような点が明らかとなった。 ・高齢化については、高齢者の心身機能の特性を考慮することは必要であるが、単なる暦年齢や心身機能、生活機能だけではなく、より広い観点からの社会生活を支援するような観点が必要である。 ・高齢者リハビリテーション医療の提供については、隣接した保健、福祉、介護、健康などの領域との協調と、多様なニーズに対応するために、さまざまな形態の提供体制の構築が望まれる。 ・高齢者リハビリテーション医療についての基本的な考え方は、生活の質、健康、障害、不確実性などの概念の変化により、社会の中での全ての人々と同等のサービス提供を要請するものである。 ・高齢者リハビリテーション医療についての経済的負担に対する効率性の追求には、経済的な観点からだけではなく、ケア全体の総合的な観点からの検討が必要である。 ・経済的な効率性の観点からの検討の短所を補うために「質」の観点からの評価には大きく期待できるが、「質」の持つ多様性のために、「質」の評価においても、総合的な観点からの評価システムの構築が必要である。 高齢者リハビリテーション医療へ影響する因子は多様であり、各々のもつ課題だけではなく、それらは相互に関連しあうことにより、バランスのとれた視点からの検討が必要である。 |