タナカ コウヘイ   Tanaka Kohei
  田仲 浩平
   所属   医療保健学部 臨床工学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2009/06
形態種別 学術講演予稿集(学会、研究会を含む)
標題 血液回路の圧力変動
執筆形態 単著
掲載誌名 平成21年電気学会 電子・情報・システム部門大会講演論文集
巻・号・頁 820頁
著者・共著者 田仲浩平
概要 心臓・大血管手術時などで生体機能を代行するため体外循環法が用いられており,この体外循環専用の血液回路としてポリ塩化ビニル(軟質チューブ)が医療で用いられている。近年においては,血球破壊の少ないと言われる遠心型血液ポンプと構成することで,ローラポンプに比べ,閉塞時においても過大な圧力が発生しない安全性から広く用いられてきた。しかしながら,体外循環時に軟らかいチューブを鉗子により急閉鎖した場合,血液回路に大きな振動が発生するなど,血液損傷を与えるような過大な圧力変動(水撃)が生じているものと考えられるこのような水撃は溶血や気泡の発生を引き起こす危険性があり,また血液ポンプなど接続されたデバイスへの影響についても把握しておく必要がある。水撃は密度,圧力波の伝播速度,流速に依存することが知られており,これまでの研究により,水撃はポンプの形状および体外循環で発生しうる200 mmHg~300 mmHgの初期回路内圧に依存しないことが確認されている。本研究では,管路の硬さと遮断速度が水撃圧へ与える影響を調べるため,管路に軟質チューブ,また硬質チューブを使用し,遮断弁を用いた急激な強制閉鎖,また緩やかな閉鎖により圧力波を発生させ,体外循環時における血液回路内の圧力変動について検討を行った。閉ループ循環回路の構成は,軟質チューブTYGON-R3060 (内径10 mm×外形14 mm)(E=0.012 GPa)と,硬質チューブ(SMC)であるポリアミド樹脂のナイロンチューブ (内径9 mm×外形14 mm)(E=0.1 GPa)である。作動流体は水とし,貯水パックから遠心型血液ポンプ,電磁流量計,流量調節バルブを経て貯水パックに戻る,人工肺を除した閉ループ回路構成とした。実験回路の途中には,圧力変動を起こす為の,強制遮断弁をポンプINLET側,OUTLET側の2箇所に設置した。陽・陰圧の測定は,半導体圧力トランスデューサを用い,ポンプINLETに2箇所,ポンプOUTLET側に2箇所の計4箇所に設置した。供試用の遠心型血液ポンプはHPM-15(泉工医科工業)とし遠心型血液ポンプINLET,OUTLET側の閉鎖弁をそれぞれ強制閉鎖した場合の圧力変動を計測した。流量Qは1L/min間隔とし, 1 L/min~5 L/minまでの間で実験を行った。弁は手動で開閉を実施し,閉鎖時間tsを変化させ,緩やかに閉め切る場合と急激に閉鎖する場合における圧力波について比較した。
          
本人担当:データ収集,論文作成.