ウラノ マサヨ
浦野 雅世 所属 医療保健学部 リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/02 |
形態種別 | 学位論文 |
標題 | 複数の事象の関係性を表す文理解に関する研究 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 上智大学博士論文 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 上智大学 |
巻・号・頁 | 1-96頁 |
総ページ数 | 96 |
担当範囲 | データ収集、結果の解釈および臨床評価、論文執筆 |
担当区分 | 筆頭著者,責任著者 |
著者・共著者 | 浦野雅世 |
概要 | 「複数の事象の関係を表す文理解は、空間認知にかかわる神経基盤に支えられているのか?」という問いを設定し、複数の事象の関係性を把握する文理解に関するオリジナル検査である「関係の理解テスト」を、①統語・文法処理能力が同等である左半球損傷の失語症者を用いて左頭頂葉病変群と左非頭頂葉病変群、②左頭頂葉病変群と右頭頂葉病変群、右頭頂葉病変群と右非頭頂葉病変群に実施し、成績を比較した。その結果、左頭頂葉病変群では「失語症構文検査」「助詞理解検査」という統語・文法理解を評価する文理解検査の成績が軽微でありながら、「関係の理解テスト」で著明な成績低下を示したのに対し、左非頭頂葉病変群では成績良好であった。このことから、複数の事象の関係性を言語的に把握する能力は、左半球内では空間認知にかかわる頭頂葉が重要であることが示唆された。また、左頭頂葉病変群と右頭頂葉病変群の比較では、左頭頂葉病変群での成績低下が明らかであったことから、「言語処理」の障害として、左頭頂葉がより重要であることが示唆された。さらに、右頭頂葉病変群と右非頭頂葉病変群の比較では、右頭頂葉病変群で軽微ながら成績低下を認めた。これらの結果から、言語的教示からの空間的図式化や関係性の心的イメージの構成には右頭頂葉も関与することが示唆された。 |