サトウ アツシ
  佐藤 淳
   所属   応用生物学部 応用生物学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/09
形態種別 学術講演予稿集(学会、研究会を含む)
標題 アルブミン融合によるヒトラクトフェリンの抗腫瘍活性増強 -細胞内小器官pHへの影響-
執筆形態 共著
掲載誌名 ラクトフェリン2023
掲載区分国内
出版社・発行元 アイ・ケイ コーポレーション
巻・号・頁 73-76頁
総ページ数 4
担当区分 責任著者
著者・共著者 トルンディン ハゥエーアン、栗本 大輔、笠間 諒也、佐藤 淳
概要 バイオ医薬品の開発を目的に、ヒトラクトフェリン (hLF)に着目した研究を行っている。hLFは自然免疫で機能する多機能性タンパク質で、抗腫瘍活性を有する。筆者らは、hLFの活性増強を目的に、hLFにヒト血清アルブミン(HSA)を融合させた、ヒト血清アルブミン融合ヒトラクトフェリン(hLF-HSA)を開発した。既に、hLFと比較して、hLF-HSAはヒト分化型肺腺ガン細胞PC-9(PC-9細胞)により取り込まれ、増強した細胞増殖阻害活性を示すことが報告されている。本研究では、hLF-HSAがガン細胞に取り込まれた後、どのような作用機序で細胞増殖阻害活性を示すのかを明らかにすることを目的とした。作用機序として、細胞内小器官pHに着目した。hLFをで処理したPC-9細胞では、細胞内pHは変化しなかったのに対し、hLF-HSAで処理したPC-9細胞では、細胞内pHがアルカリ化されたした。細胞内pHを制御する分子としてNa⁺/H⁺交換輸送体 (NHE)が知られている。NHE阻害剤は、hLF-HSAの細胞内のアルカリ化及び、細胞増殖阻害を減弱した。現在までに11種類のNHEが知られており、本研究ではNHE1,NHE7,NHE9に着目した。各NHEのノックダウン実験の結果から、hLF-HSAの細胞内pHへの作用にはNHE7の関与が明らかとなった。